1杯のカフェラテから気付かされたこと

こんばんは!
ちょっとご無沙汰になりました!

さてさて、前々回にて三宿での幼馴染との再会までお話しました。
今回は時系列がちょっと進み、
三宿での勤務が終わり、ROASTERYでの勤務に移行します。

三宿で働く最後の2ヶ月の期間でこれまた欠かすことができないお客様と出会います。
そして、

2人との出会いが自分の価値観を形成する大きなきっかけになります。


三宿で働き3ヶ月ほど経過しました。

初めての飲食業のギャップも少しずつ慣れてきました。
そんなある日、休みが回せなくなり、シフトに一緒に入ったのが能城さんでした。

能城さんと2人で三宿の店頭に立つのも珍しく、2人で立つ最終日のことでした。

ゆったりとした営業で、
そんな夜に来たのが、カップルできた二人組でした。

能城さんが店頭にいたせいか、2人とも目を輝かせていた記憶があります。

ドリンクを作ったのは僕です。
カフェラテを2点オーダーし、提供しました。
帰り際にも簡単にお話し、美味しいといって帰って行ったことが記憶に残っています。

男性は関西からということで東京にきたタイミングで寄って下さったようです。
必ずまた来ます!といってくれました。

そのときは能城さん目当てだろうと思っていました。

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そして、時は過ぎゆき、
ロースタリーのオープンとなりました。

私はロースタリーのオープンからこちらに入ることが決まり、しばらくするとロースタリー1本での勤務となりました。

ロースタリーでは豆売りのカウンターとアイランドと呼ばれるエスプレッソベースのドリンクカウンターは別です。

↑奥にちょこっと見えるのが豆売りのカウンターで、手前の大きなカウンターがアイランドです。

手前にエスプレッソドリンクを提供するメインのアイランドカウンターがあり、奥に豆売りカウンターと焙煎機がある構造です。

自分は豆売りのカウンターのみでの勤務となり、
アイランドへはレベルを積んだバリスタのみしか行けない高いハードルがありました。
どこまで行けば、どうすればあそこに行けるのかわからないまま、豆売りのカウンターにいた私はそこから苦悩します。

洞窟のような構造になっていて、
奥側が豆売りのカウンターなので、最初はお客様に場所の認知すらされませんでした。

豆売りカウンターにきたお客様には最高の接客をしたくとも、まったく認知すらされないので、どうすればいいのだろう。

いつまでたってもエスプレッソやカフェラテを淹れるチャンスもないこの場でどう挽回すればいいのだろう
と大きな悩みを抱いていました。

「近井くん、顔色が悪そうだけど、大丈夫かな?」

周りの人から心配されながらもモチベーションの部分も指摘されるレベルにもなっていました。

そんな時に現れたのが、
三宿であったカップルの2人組でした。
ロースタリーがオープンしたのを聞いて、駆けつけてきてくださったようです。

僕も当然覚えていたので、駆け寄って挨拶をすると、
開口一番にこのことを言われました。

「近井さんカフェラテ淹れないんですか?」

と。
その時、申し訳なさが溢れて、今の自分のレベルが満たしていないことを正直に話しました。
そうすると、
「近井さんのカフェラテが飲みたくて来たのです。僕たちが感動したカフェラテをまた作ってください。」
と言ったのです。

その瞬間涙が出てきて止まらなくなりました。

この2人は、能城さん目当てじゃなかったのだと同時に理解できました。

最終的に飲んだ液体に感動してまた戻ってきてくれたんだとわかったことが嬉しかったのです。


結局、周りがどうこう、自分の状況がどうこうではなく、

お客様がどう思うか、喜んでいくサービスを徹底的にやろうと僕はそこで心に誓ったのです。


そして、2人にまたコーヒーを淹れるために、
行動に起こそう、と思ったのです。

自分がレベルを満たさないバリスタでありあのアイランドに入れないのであれば、
どうしたら入れるのかなぜ周りに聞かなかったのだろうと思ったのです。
遠慮して聞けなかった自分が馬鹿らしく思えました。
早速、上長と菊池さんに相談しました。

そして、同時に豆売りのカウンターに立つ姿勢も同時に変えました。

認知されないカウンターであれば、自分が認知されるスタッフになって、お客様を引っ張ってやろうと思いました。

暇な時間は豆のことを調べて、スタッフノートにまとめて記事を手書きで書いたり、お客様が多くいる時はカウンターから離れて話しに行ったり、お客様が手持ち無沙汰なときを見計らって試飲をだしたり、どういうコミュニケーションをとればお客様が喜ぶのかもジッと中から伺っていました。


そのあたりから
最高売上をあげたタイミングでたまたま僕がいることが多くなり、
僕が遅番で入って、印象に残る出来事が多くなってきた頃から、「夜の近井」という異名で言われることも多くなりましたね。笑

徐々にではありますが、自分の行動で信頼を得られるようになってきたのもこの頃からです。
全ては、あの2人にカフェラテを飲んでもらうために。
そして、そこから半年は経ちましたが、ようやく菊池さんに引っ張っていただく形で試験を受けて、合格しまた戻ってくることができました。

もう初めてあのアイランドカウンターでエスプレッソを淹れた時は感動モノでした。

↑初めて立った日です。笑


そして、そこからさらに2ヶ月後、あの2人が会いに来てくれたのです。
2人もとても喜んでくれて、自分のことのように笑顔になってくれたことを今でも思い出します。

↑再会したときの写真です。

話が長くなりましたが、
周りの環境や自分を取り巻く状況は変わり自分にとって不都合な状況も生まれますが、そこに流されるようではやっぱりダメなんだと感じました。

他人の評価のために働いていると誰かの目をいつも気にしなくてはならなくなります。それが息苦しく感じていました。

だからこそ、
「近井さんがなぜ淹れてないんですか?」と言われたあのときのあの一言で僕の考え方が変わりました。

自分やNOZY COFFEEを求めているお客様に何ができるのかを考えることが一番シンプルで誰からも邪魔されないことだとわかったのです。

それを認識できたことが僕を成長させてくれました。

手段・ルールはその場限りであり、お客様をどう喜ばせるかは自分次第。

そのくらい自由に動いていいのがNOZY COFFEEなんだと今でも僕はそう思っています。


木更津に来てからは会うこともなくなってしまいましたが、またどこかで2人と会える日を楽しみにしています。

はい、久々になり文章も長めになってしまいましたがこのへんで今日は締めます!

次回もお楽しみにーーーーー!
サヨゾンビナラーーーーーーー!

コーヒーと自分と

Chikai Hiroki 普段お話できないようなことをこちらからも少しずつ発信していきます。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • ちかい ひろき

    2017.06.07 17:33

    @AyaAyaさん 嬉しいです! 現場から多くのことを学んできました。 そのひとつひとつを糧にして多くの方の接客にもいかしていければと思っています。 現在進行形のことでもあるので、引き続き未熟な我々を見守ってください! いつもありがとうございます!
  • Aya

    2017.05.26 14:56

    素敵な想い出をありがとうございます。 思わずもらい泣き。 間合いなど、こうやって鍛えてこられたのですね。 ちゃんと伝わってますよー。 本当に素敵な職場ですね。